DPC RECRUIT
フォローアップ研修
Vol.07〜第七回DPC研修〜
仕事が早い人は「これ」しかやらない
Vol.07 研修開催日:2024年4月20日
明治大学客員研究員
一般社団法人国際キャリア教育協会理事
人材支援開発会社アレルドCOO
石川 和男(いしかわ かずお)
➀建設会社役員 ➁人材支援開発会社 ➂税理士 ④時間管理コンサルタント ⑤セミナー講師 5つの仕事を掛け持ちする 時間管理の専門家。ビジネ ス書累計28冊執筆。 残業ばかりしていた生産性の上がらない日々に嫌気がさし、一念発起。ビジネス書やセミナー受講によりタイムマネジメント のノウハウを取得、実践することで生産性を下げず残 業を減らす仕事術を確立した。 自ら習得した「時間管理術」をベースに、生産性向上 の研究を日々続けている。 書籍 『今さら聞けない仕事の超基本』(朝日新聞出版社)、 『どんなことでも「すぐやる」技術』(Gakken)、 『やらないことリストのつくり方 見るだけノート』 (宝島社)
目標を実現するために必要な4つのこと
効率よく時間を使いたいという思いには、その先に、できた時間で何かしたいこと(目標や夢)があると思います。
時間管理の話をする前提として、仮に効率的に時間を使っても長続きしないと意味がないということをお話いたします。夢を実現するには、以下の4つの要素が必要です。
1.目標
例「ダイエットする」など
2.目的:なぜその目標を達成したいのか
例「健康を維持したい」など
3.期限:いつまでに達成するのか
例「9月21日の健康診断まで」など
4.具体的数値:どの程度達成するのか
例「1ヶ月で2キロ痩せる」など
これら4つの要素を設定すると、目標達成が現実的になります。
例えば、「ダイエット」ではなく「9月21日の健康診断までに2キロ痩せるため、1日8,000歩歩く」と具体的にすることで、行動が明確になります。何か資格を取りたいと思ったときやお金を貯める目標でも、これら4つの要素を明確にすることで、達成しやすくなります。
上司と部下とのコミュニケーション
上司と部下とのコミュニケーションを効率的にするためのポイントをいくつか紹介します。
1. 具体的な数字を使う
例えば、上司に「いつできる?」と聞かれた時、「もうすぐです」ではなく、「あと10分でできます」など具体的に答える。
抽象的な言葉では誤解が生じやすいため、数字を使って明確に伝える。
2. 集合時間を指定する
「すぐに集合」と言わず、「5分後に集合してね」や「4時半になったら来てね」と指定することで、部下が今の作業を終わらせる時間を与える。
集中を中断させないために重要です。ミシガン州大学の研究では、短時間の中断でも作業効率が大幅に低下することが示されています。
3. 改善策を考えさせる
部下がミスをしたり遅刻したりした場合、「どうして遅刻した?」と聞くだけでなく、「どうしたら遅刻しないと思う?」と続けて質問する。
これにより、部下が自分で改善策を考え、実行する機会を与える。
これらのポイントを意識することで、上司と部下のコミュニケーションがスムーズになり、効率的な時間管理が可能になります。
やらないという選択
時間効率で1番効果的なのは“やらないこと”です。
1時間の会議を50分で行っても、10分の短縮だし。2時間の仕事を1時間半でやっても30分の短縮だけど、1時間のことをやらないと、丸々1時間浮くんです。
スティーブ・ジョブズさんやアインシュタイン、オバマ大統領の共通点はわかりますか?
これは“服を選ばないこと”です。
選ばないことで、その時間を省いているし、決断することが多いから服に関して決めるということをしないようにしている。
ただ、無駄なことって誰も無駄だと思ってやっているわけではなく、無駄って気づいていないからやっているんです。
では、気付くためにはどうしたらいいのか?
・ビジネス書を読む
・セミナーに参加する
・異業種交流会とか同業他社との意見交換
・転職者の意見に耳を傾ける
新たな発想を得る機会を自分で作り、転職者という外部からの視点を大切にすることで、無駄に気付ける。
期限の重要性
時間効率に関して5分だけ話してくださいと言われたら、絶対に話します。というほど重要です。
期限には集中力という不思議な魔力が宿っています。
上司からこの仕事10日でやってねと言われると10日でやるんですけど、同じ仕事でも1週間と言われたら1週間でやるし、3日って言われたら無理やりでも3日でやるんですよ。
パーキンソンの法則というものがあります。
人は与えられた時間をすべて使ってしまうという法則です。
だから期限はシビアに決めなければいけません。
それともう一つ、例えば資料作りをすることになったとき、100%完璧にしてから提出したいですよね?怒られたくないし、完璧にしてからのほうが気持ちがいいし。それが後輩とか部下の気持ちなんです。
上司はそれを食い止める必ようがあります。
資料は作ったら進捗20%くらいで、1度上司やお客様に、このような感じで作っていますがどうですか?イメージに合っていますか?とすり合わせると、完成後のやり直しが74%減りました。
完璧なものをつくることが重要だと思っているかもしれませんが、完璧に作ったと思い込んでいるものは、お客様にとっては完璧じゃないかもしれない。粗くても早めに提出して、意見を聞く、そうすることによって無駄な時間をかけずに済む。
結果、時間効率が上がる。
アイスピックとノートで仕事がはかどる
仕事が終わっているのになぜそんな状況になるのか?それは“好楽円”な仕事ばかりを終わらせているからです。
”好楽円”つまり、好きな仕事、楽な仕事、円滑に進む仕事ばかりやっていて、大変な仕事、いやな仕事を先延ばしにしているからです。こういった仕事は重要かつ緊急であることが多い。ここの仕事がやれていないからモヤモヤしたり、不安になったりするんです。
じゃあ、どうするのかというと細分化するんです。
そして、この細分化をするときに有用なのがやることノートです。
やることをノートにすべて書く。パソコンに付箋を貼ったり、机にメモを残していたりすると、タスクが散らばっていて自分は一体どれだけの仕事があるのかわからない。
1つのノートに書くことで、目の前の仕事に集中できるようになります。
また、先延ばしにしていい仕事がわかったり、部下にませられる仕事がわかったりもします。
そして、書かれた仕事を細分化します。
例えば“決算”とだけ書かないで、去年の決算のコピー、現金・預金のチェック、全部細かく書く。すると、コピーくらいすぐできる、預金のチェックはAさんが銀行に行くから頼める、とか。大きな決算という塊を砕いて小さくしていくと、実は1個1個は簡単な仕事だったというケースが多いです。
大きな氷の塊は溶けにくいですが、アイスピックで砕いて小さな欠片にすることで簡単に溶かすことができます。
難しい、大変だと思う仕事ほど細分化してやってみてください。
現状維持バイアスを突破しろ
脳は何を1番に考えていると思いますか?
実は脳は“死なないこと”を1番に考えています。
痩せたいと思って、順調にダイエットをしているんだけど、
ラーメンを食べに行ったらついでにチャーハンを頼んじゃ
ったり、友達に誘われたら飲みに行っちゃったり。
これはなぜなのかというと、今までこの体重で生きてきたのに、痩せて、体を壊して、死んじゃったら困るでしょって、脳が指令を出すんですね。
このことを心理学用語で現状維持バイアスとか、心理的ホメオスターシスと言います。現状を維持しようとする、変わらないように阻止する機能です。
じゃあ、どうしたらいいのか?
まず、動く、作業することです。
運動であれば、“今日は外が寒いな”とか“昨日仕事が大変だったから疲れている”とか考える前に、まず外に出る、まず1歩でも歩く。勉強であれば、まず机に向かう、テキストを開いて1ページでも先に進める。
外に出て1歩だけ歩いて帰る人や、勉強1ページだけでやめる人っていないと思うんですよ。もう1歩、もう1ページと続けたくなっちゃう。
これを“作業興奮”と言いますが、作業することで興奮して続けたくなっちゃうんですよ。ただ、そのためにはまず動かなくちゃいけない。
メル・ロビンスさんの5秒の法則というものがあって、人は5秒を超えると言い訳を考え始めて動けなくなってしまう。だから実は、行動をするのは5秒が勝負です。
朝起きるとき、横になっている状態で“今日は寒いな”とか“会議があるんだよな”とか考えていると起きられなくなる。だから、まず起きて、それから面倒だなと思いながら会社に行けばいいんです。
1,2、3でまず行動してみてください。
ピンチはチャンス!
ルパン三世仕事術というものがあります。
「ルパン面白くなってきたな」って相棒の次元が言うんですけど、だいたい良くない展開の時に言うんです。後ろ手に縛られて、拳銃突きつけられているとか。
要はピンチを楽しめというメッセージだと思っています。
いろんなビジネス書でもピンチはチャンスと書かれていますけど、これはビジネスにおいて心理だと思います。
なぜかというと、いつもと同じ仕事や誰でもできる簡単な仕事でピンチになることありますか?
どんな時にピンチかっていうと何度も断られている会社に契約を取りに行こうとするときとか、ライバル会社の分野で顧客を獲得しに行ったりとか、クレームをすごい言ってくる人の対応をするときとか。
その仕事が形になったときに、君のおかげで助かったよと言われたり、スキルアップしたりする。つまりそのピンチがあればこそ、それを切り抜ければチャンスに変わるんですよ。
ただ、このピンチを必要以上に恐れる人がいます。
今の仕事上のピンチを思い浮かべてみてください。そのあと、1年以上前のピンチを思い出してみてください。その状況は今ではピンチと思わないことか、そもそも思い出せないんじゃないかと思います。
つまり、来年の今頃になったら覚えてもいないようなことなんだから、くよくよ悩んだりせずに挑戦してみようということです。
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研修開催日:2017年11月5日
Vol.03